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海外における反応重視型の学派

メイトランドコンセプト(Maitland concept)

オーストラリア出身のメイトランドという理学療法士が発展させた学派です。

 

文献によると『メイトランドの考案した徒手療法は関節軟部組織を出発点としたが、次第に神経系、筋系を加え、クリニカルリーズニングの概念を取り入れながら発展を遂げて現在に至っており、オーストラリアンアプローチとも呼ばれている』と書かれてあります。

 

一方で、現在メイトランドコースがオーストラリアでは開催されておらず、メイトランドのオリジナルに近いコンセプトはスイスで受け継がれているため、2つを分けて考える人もいます。

 

メイトランドコンセプトは、複合運動や圧迫などで症状を再現させる反応を評価に用いたり、症状が出現した肢位から症状が悪化・寛解する動きを加えて原因組織の仮説検証や治療に役立てるといったように、力学的負荷などを加えた際に返ってくる患者からの『反応』を重要視するようです。

 

また、その他の文献の分類表も参考に『反応重視型』にしましたが、オーストラリアンアプローチも同様かは定かではありません。

 

このコンセプトはノルディックシステムと共に世界理学療法士連盟(WCPT)の傘下組織である国際徒手療法士連盟(IFOMT)の教育認証基準を満たしている学派であるとのことで、海外では有名です。

 

メイトランドやオーストラリアの協会公認ではありませんが、これらのコンセプトに近い内容の基礎的講習会を、オーストラリアで勉強された先生が日本でも開催しています。

 

『振幅(osillation)』『『ムーブメントダイアグラム』『被刺激性(irritability』がメイトランドコンセプトのキーワードだと個人的には思っています。

 

メイトランドコンセプトに関しては、以下の『メイトランドの脊柱マニピュレーション』『メイトランドの四肢マニピュレーション』に詳しく記載されています。

 

メイトランド 脊椎マニピュレーション 原著第7版 (CD-ROM付)

 

 

 


by ヨメレバ

メイトランド四肢関節マニピュレーション(CD-ROM付)

 

 

 

 


by ヨメレバ

 

どちらの書籍の原著も世界の理学療法士養成教育における筋骨格理学療法のテキストとして広く使用されており、各学派を超えたグローバルスタンダードな内容を含んでいると言えます。

そして、脊柱編・四肢編ともに凄い情報量ですが、その中の半分くらいはメイトランドコンセプトのみならず徒手理学療法全般に関する有益な情報が詰め込まれているため、この分野に携わる全ての理学療法士にお勧めです。

 

私はメイトランドコンセプト独自の評価や手技は臨床で用いておらず、それらの章の内容はほとんど読んでいませんが、そんな私でも有益で感銘を受ける情報が多く掲載されています。

個人的には問診に関して言及されているコーナーがお気に入りです。

問診について知識を深めたい方は、メイトランドシリーズは参考になるのではと感じます。

 

関連記事⇒『問診』

 

ただ、他に類を見ない程の情報量で、ページ数もさることながら、各ページに文字がギュウギュウに詰め込まれているため、読破して内容を身につけるには根気が必要です。

また、徒手療法をある程度学んだ人には内容が頭に入ってくると思いますが、徒手療法初心者の方は詳細すぎて消化不良を起こす可能性もあり、もっと平易で分かりやすい書籍から勉強したほうが良いかもしれません(徒手療法が非常に難解で敷居の高いものに感じられる可能性があります)。

 

 

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